去年生まれの女王蜂と今年生まれの女王蜂

働き蜂の寿命は忙しい花のシーズンで1~2か月、仕事の無い冬のシーズンで4~5カ月らしいですが、女王蜂は3年~6年程度は生きると言われています。
蜂蜜を採ることが目的の養蜂では女王蜂にたくさんの卵を産んでもらうことが重要です。
働き蜂の数が増えれば増えるほど集蜜量は飛躍的に伸びるからです。
最も産卵数が多いのは1年目の女王蜂と言われていますので、養蜂家は毎年女王蜂を更新するのだそうです。

女王蜂も生まれて1年も経過するとその体色も変わってきます。
これは去年生まれの女王蜂です。中央に写っている少し体長の長いのが女王蜂です。

おなかの色が少し焦げ茶色っぽく見えますね。

一方、今年生まれた女王蜂はこんな体色です。

アメ色とでもいいましょうか。まだまだ若々しい色をしていますね。
さあ、来年はこれら今年生まれの女王蜂に頑張ってもらわなくてはなりません。
今のこの時期は、越冬に向けて群勢を整える作業の真っ最中なのですが、まだまだ経験の浅い私はトライ&エラーの連続です。

敵、敵、敵、敵・・・

8月の中旬に投入したダニ対策のアピスタンを本日撤去しました。投入してきっちり6週間。
これ以上投入しておくと薬が効かなくなる耐性ダニが発生してしまいます。
一部の群ではまだ巣の底にダニの死骸が落ちていますので残党が居るのは間違いありません。今後は様子を見ながら、必要ならばナチュラル殺ダニ剤での処置になります。

スズメバチの方は今のところそんなに大群での襲撃は無いのが幸いです。

スズメバチ捕獲器を巣門に取り付けると、ハチが出入りに苦労する様になります。
それと同時に、巣箱内部のゴミ、クズも外に出し辛くなる様です。
ゴミ、クズだけならまだましかもしれませんが、こいつも巣箱の中に多く見られるようになりました。

「スムシ」です。
スムシというのはハチノスツヅリガという蛾の幼虫だということです。
春先からスズメバチ捕獲器を取り付けた夏場までに時々見られたスムシは巣枠の上桟の隅っこに追いやられているか、巣門の外に放り出されていたものですが、近頃は巣箱の底と壁との隅にマユを作って住み着いていやがります。
まあ、マユを作っているのはましな方だと思いますが、どうしても防御の薄くなる両端の巣脾の外側などはスムシが食い進んだ跡のあるものも見受けられるようになりました。
今日も1群で巣脾を5cm位食われていたので駆除しておきました。
ニホンミツバチの場合はこいつがかなり強力な天敵らしいですが、セイヨウの場合はまあ巣脾を保管する時にその巣脾を食われるというのが最も大きな被害ということらしいです。

今、台風17号が近付いてきています。降り始めた雨の中、風対策をしてきましたが、あれで大丈夫かな?ちょっと心配です。

ここのところは夏場に減った蜂数を増やす大切な時期なのに、それを阻もうとする色んな敵に対策が必要な季節になっています。

オオスズメバチ コガタスズメバチ

西洋ミツバチは1週間に1回程度、内検という作業を行います。
女王蜂は健在か、産卵は順調か、貯蜜や花粉はあるか、スムシやダニなど害虫は付いていないか・・・等々確認していく作業を内検と言います。この時期はスズメバチ対策も重要ですね。
本日内検してきたところ、全体でスズメバチ捕獲器にオオスズメバチ1匹とキイロスズメバチ5匹が掛かっていました。

内検中もスズメバチが何度か巣箱周辺を飛行していましたので捕獲してねずみトリモチにくっつけておきました。

スズメバチを生きたままくっつけておきますと、救助信号ならぬ仲間の応援を呼ぶ匂いを出すらしく、近くに来たスズメバチはミツバチの方には行かず、スズメバチの方に吸い寄せられてくっつき、被害を少なくできるんだそうです。
効果の程は・・・どうなるでしょう。

さて、写真にあるねずみトリモチにくっつけたスズメバチですが、実は2種類のスズメバチです。写真下段の2匹はいずれもオオスズメバチ、写真上段の2匹はいずれもコガタスズメバチです。
この2種類のスズメバチは体長こそ違いますが見た目そっくりなスズメバチでして、当然オオスズメバチの方が大きいのですが飛んでる時にはどっちなのか判別するのは難しいです。(飛び方と羽音は確かに違うと言えば違うのですが。)

最も確実な判別方法はアゴの付け根(頭楯(とうじゅん)というらしいです。)の形を見れば一発でわかります。
コガタスズメバチのそれは、なんといいましょうか・・・突起が波々・・・です。一応3つということらしいですが。

一方のオオスズメバチは突起が2つです。こっちの方が突起という意味がわかりやすいですね。

アゴの付け根のところの形がW型になっているの・・・わかりますか?

蜂場

我が蜂場です。
写真右手は大木の木陰になるのですが、左手は何もないので遮光ネットで暑さを防いでいます。
蜂場は山の中腹、左右を稜線に囲まれた窪地の様なところにあります。
麓のため池の周りには桜が植わっており、山の頂上にも桜が植わっています。
麓の桜と山頂の桜の開花と散る時期が概ね2週間弱のタイムラグがあるので、今年の春はあわよくば桜の蜜でも採蜜できないか・・・と思っていたのですが、蜜蓋が少し掛かった程度の時に山頂の桜が終わってしまい、その上その後の蜜源となる花も少なかった様で、半分くらいは蜂の食料になってしまいました。
半分ほど食べられてしまった桜の蜜ですが、その後菜の花などの蜜が入って、採蜜した春の蜜はとても香りがよく、ものすごく上品な甘さの蜜が取れました。

一度桜満開の時期にポカをやりまして、仕切り板の位置を戻すのを忘れていたらしく、巣板と仕切り板の間に空いた丁度巣板1枚分の間隔に無駄巣を作られました。

この無駄巣に貯まったソメイヨシノの蜜を食べてみたのですが、とんでもなくうまかったです。うちの家内は感激しまくって「こんなにおいしい蜂蜜食べたことない。感激した。」と何度も言っていました。
元々ソメイヨシノは蜜の出が少ないらしく、よくある桜の蜜というのは山桜の蜜なんだそうですが、なんとかソメイヨシノの蜂蜜が取れないか・・・そんなことを考えています。難しいんだろうなぁ。

スズメバチ襲来の季節?

いよいよ西洋ミツバチ受難の季節がやってまいりました。
そう、スズメバチ襲来の季節です・・・・が、今のところあんまり来てないみたいです。
スズメバチには何種類かいますが、最も被害甚大なのはオオスズメバチです。
襲撃の発見が遅れるとまず間違いなく西洋ミツバチは全滅させられます。
それほど脅威のオオスズメバチなんですが・・・。

今年の春から初夏にかけてスズメバチトラップで蜂場のスズメバチを捕獲してきました。
スズメバチは春ころから飛び始めますが春から初夏に飛んでいるのは女王蜂で、晩夏以降に飛んでいるのはその子供たち(働蜂)なんです。
ですので、春から初夏にかけてスズメバチを1匹捕獲すると巣を丸ごと一つ駆除したことと同じことになります。

これは今年の5月初旬頃、スズメバチトラップにかかった大スズメバチ女王です。
インターネットなどで見ると、オオスズメバチの女王サイズは40mm~45mmとありますが、この写真のオオスズメバチ女王はなんと55mmありました。こいつがブンブン飛びまわっていたのを当時目撃していたんですが、あまりにデカくてなんか新種のスズメバチかと思いましたよ(笑)。

記録を見たところ今年の5月6日から7月15日までの間に合計40匹のオオスズメバチを捕獲したとなっていました。その他の種類のスズメバチは57匹捕獲しています。
その効果なんでしょうか?それともこれから本格的に襲撃される?

まあ、今年は梅雨の長雨がこちらでは続きましたので、そちらの影響の方が大きいのかとも思いますが。

8月に入ってから今までスズメバチ捕獲器に掛かった、あるいは飛んでいるのをたたき落としたのはまだ3匹です。

このまま何事もなく時が過ぎてくれると良いですね。

ダニとの闘い

ミツバチには様々な病気や天敵が存在しますが、今現在私が考えるに最も厄介で最も気をつけなければならないのは「ダニ」だと思っています。
ミツバチに付くダニは「ミツバチヘギイタダニ」というもので巣房の中の幼虫や蛹に寄生し、蜂の成長を阻害させるだけでなくちぢれ羽の奇形蜂を発生させます。
基本、巣房の中で寄生しますので、成蜂の体にとりついているのを発見した時には既にかなりの数のダニが繁殖しているとみなす必要があると思います。
これを見過ごすと、あっという間に群が全滅したりするのでとても怖い存在です。

先週、今年最後の夏蜜を採蜜しましたのでダニ対策として「アピスタン」を投入しておきました。
今日巣門のスズメバチ捕獲器を外してみると全群こんな風にダニの死骸が出ていました。
先週までの内検で蜂に取り付くダニは殆ど見られなかったのですが、実はこんなに居たんですね。。。

ポツポツと見える茶色の丸いのが「ミツバチヘギイタダニ」です。
巣門前で一生懸命旋風を起こしているかわいいハチのお尻と共に。

蜂の楽園

今年の7月上旬に撮った「マサキ」の花に集う蜂たちです。
何種類の蜂が写っているでしょうか?

中央にセイヨウミツバチ、その右にニホンミツバチ、その下にアシナガバチがいます。
実は画面左中央付近にスズメバチ(多分ヒメスズメバチ?)の顔がチラッと写っているのですがタイミング悪く花に隠れてしまいました