はちみつQ&A

Q.はちみつってどうやってできるの?

A.みつばち達が採取する花の蜜は糖度が40%未満のサラサラの状態です。これを巣に持ち帰り貯蜜房に溜め込んだ後、みつばちは巣箱の中で羽を羽ばたかせて水分を蒸発させます。

 水分が蒸発して糖度が80%前後に上昇すると、みつばち達はこの貯蜜房に蓋掛けするのです。 蜜を採るのはこの貯蜜房の蓋掛け状況が目安。

 蓋掛けされた貯蜜枠から採れたはちみつ糖度は80%程度になり、発酵することもありません。(糖度が低いとはちみつが発酵してしまうことがあります。)

Q.はちみつとお砂糖、どこが違うの?

A.はちみつの主成分であるブドウ糖や果糖は単糖と言われ、これ以上分解する必要の無い糖になります。ですから体内に摂取してすぐに吸収が始まります。

 対してお砂糖は単糖に分解してから吸収されるので少し時間がかかります。

 また、はちみつには糖以外にもビタミンやミネラル、アミノ酸が含まれています。非加熱を謳うのは加熱によってせっかく含まれているビタミンを破壊してしま うのを嫌うことから来ています。ただビタミンが壊れ始めるのは50℃を越えてからと言われていますのでそこまで加熱しなければ問題ないとも言えます。

 余談ですが、お砂糖は温度が高いほど甘味が強く、低いほど甘味が弱く感じられる傾向がありますが、はちみつの場合は逆で熱いものは甘味が弱く、冷たいもの ほど甘味が強くなる傾向があります。

Q.はちみつは結晶するのが本物?それとも偽物?

A.はちみつは「ブドウ糖」と「果糖」の2種類の糖質が主成分。このうち結晶に関係するのがブドウ糖です。

 ブドウ糖が多く含まれているはちみつは結晶しやすく、逆に少ないと結晶し難いのです。ブドウ糖と果糖の比率は花の種類によって違い、例えばレンゲ蜜はブドウ糖が多く含まれているので結晶しやすく、逆にアカシア蜜はブドウ糖が少ないので結晶しにくいのです。(このどちらも当養蜂場では採れないので扱っていませんが・・・)

 結晶する/しないを持って本物かどうかを判断するのはちょっと難しいかもしれません。レンゲ蜜やみかん蜜、百花蜜がいつまで経っても結晶しない場合は怪しいですが・・・。

 当養蜂場で採れたはちみつで最も早く結晶するのは「春の蜜」です。続いて「初夏の蜜」。一番遅いのが「夏の蜜」と「みかん蜜」になります。

Q.はちみつが結晶する温度は何度?

A.摂氏5℃近辺と摂氏14℃近辺で蜂蜜は結晶します。特にこの温度を何回も行き来していると結晶が進みます。

Q.結晶したはちみつはどうすればいいの?

A.60℃未満の温度で湯煎します。できれば50℃以下が理想です。それ以上になるとはちみつに含まれるビタミン類が壊れていきます。

 結晶したはちみつを溶かすのには時間が掛かります。じっくり時間をかけて湯煎してください。湯煎の際は必ず瓶の蓋を取って行ってください。

Q.はちみつの保存方法は?

A.はちみつが腐ることはありませんので、蓋をきちんと閉めて常温で保存してください。

Q.はちみつのカロリーは?

A.蜜源(蜜を集めてくる花)の種類によって変わりますが、大体100g当たり300Kcalほどです。

Q.はちみつの賞味期限って? 賞味期限を過ぎたはちみつは?

A.日本養蜂はちみつ協会のQ&Aから引用します。

 「はちみつは強い殺菌力をもっており、保存食の代表的なもので、古くなったものを食べても心配はありません。 賞味期限は風味をおいしく味わっていただく意味から販売者個々の判断で充てん後1~3年をめどに決定しています。 国産はちみつはとくに風味に優れていますので、できれば古いはちみつは砂糖の代わりに煮物などに使っていただき、新しく風味豊かなはちみつを直接ご賞味ください。」

 当養蜂場の場合は「蜜を採った日から2年」を賞味期限と定めています。

Q.一歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけないのは何故?

A.ボツリヌス菌は通常は土や泥の中などに存在しています。ボツリヌス菌は花粉などに混じってごく稀にですがはちみつに入ることがあります。

 ボツリヌス菌は自身にとって育つ環境が悪化すると芽胞を作って休眠状態に入りますが、はちみつの中のボツリヌス菌はまさにこの状態にあります。

 通常は摂取してもそのまま体外に排出されますが、1歳未満の乳児が摂取すると(芽胞の発芽を妨げる腸内細菌叢が備わっていないため)体内で発芽して毒素を出し、中毒症状(乳児ボツリヌス症)を引き起こし、場合により死亡することがあります。

 この為、昭和62年に当時の厚生省から「1歳未満の乳児にはちみつを与えないように」という勧告が出されています。

Q.みつばちに砂糖水を「給餌」しているみたいですが、砂糖はちみつを売ってるんじゃないですよね?

A.日本で1年中花が咲き誇り年中通して蜜が入ってくれば「給餌」などしなくてもいいのですが、残念ながら日本の気候ではそうもいきません。特に冬場は蜜を吹く花が殆どない状況となりますので、みつばち達を飢え死にさせない為に砂糖水を給餌しています。

 この砂糖水は春、花が咲き始める頃に一旦巣枠を抜き取って蓄えられている(砂糖まじりの)蜜を全て抜き取ってしまいます。(掃除採蜜と呼びます。)

 空になった巣枠に花蜜を蓄えさせて、これをはちみつとしてご提供していますのでご安心ください。

 1年を通して作業状況をブログで公開していますので、そちらの方でもご確認いただけます。

Q.はちみつを舐めると喉がイガラっぽくなるのですが。

A.スーパーなどで売っている1Kg 1、000円とかの安いはちみつを舐めると喉がイガラっぽくなりますね。 香りもしないし、味もなんだか砂糖みたい・・・なんででしょうね。中国産に多いですね。

 これはあくまでも人から聞いた話。真偽のほどは不明です。

 はちみつのコストを下げるには、大量に、早く蜜を採って回転サイクルを早くすることが必要。 はちみつは貯蜜枠に一杯に溜まっても実はまだ糖度が低い状態。本来ならここからさらにみつばち達が頑張って水分を蒸発させ、蓋掛けして完成となります。

 当養蜂場はここまでやったはちみつをご提供しているわけです。

 ところがこの蓋掛けまでの時間が結構掛かる。なので手っ取り早く蜜が一杯になったらすぐに採蜜してしまえば回転が早くなりますね。 低い糖度の「シャブ蜜」は火を加えて水分を強制的に蒸発させて糖度を高める。 火を加えるので、はちみつの色は茶色が増して味もこげっぽくなり、おまけに香りが飛ぶ・・・と。

 当養蜂場のはちみつは舐めても喉がイガラっぽくなることはないですよ。