盗蜂で一群消滅

盗蜂(もしくは盗蜜)とは読んで字のごとく、蜂が他群の巣に入り込み蜜を盗んでいく事を指します。
まあ、人間社会で言えば「押しこみ強盗」みたいなもんです。
一応、人間社会では金品取られるだけで命だけは助かるのが押し込み強盗となりますが蜂の世界ではそうとはなりません。
数年前に(本格的な)盗蜂が発生した際はすぐに気が付いて巣箱を山から下ろしたので事なきを得たのですが、もし気が付かず放置した結果として最後に行きつく先の事については本で読んだ事しかなく経験ありませんでした。
それが今年は・・・。

先週内検した時に1群で女王蜂が居なくなっており、隣の群と合同しました。
これで越冬後2群目の女王喪失でした。

翌日、合同の成否を見たところ一応女王蜂は健在で産卵も継続しておりました。
巣門からピュンピュン蜂が飛び出ていたのでちょっと気になっていたのですが・・・一応合同後8枚群のそこそこの蜂数になっていたので大丈夫かと・・・。

一週間後の昨日、巣門前に大量の蜂の死骸がでているので中を見てみたら・・・。
一部の蜂は巣箱の底で、大部分の蜂は巣房に頭を突っ込んだ状態で息絶えてました。
一匹残らず。。。
巣脾には一滴の蜜も残ってなかったです。本当に”一滴”も。

蜜を根こそぎ奪われた蜂達は食糧が無くなり空腹で餓死してしまったのです。

巣箱を引上げ巣脾に頭を突っ込んだまま息絶えた蜂達を一匹一匹手で取り出しましたが空しいやら悲しいやら情けないやら・・・。
なんでちゃんと見てやれなかったのかと。

越冬後の貯蜜は全群まんべんなく結構あるんです。昨秋のセイタカの大流蜜のおかげで。
それでもこんな事が起こるんですね。
合同したのがきっかけだろうか?
違う群を強制的に組み合わせる為にお互いの匂いを消して合同を行う。
だから一時的に敵味方判別付かなくなって外敵の侵入もやすやすと許してしまうんだろう。

蜂の世界の非情と摂理を深く深く学びました。何年やっても初心者。毎年小学一年生です。

始動

2月に入ればいよいよ蜂作業の始動・・・となるのですが、今年は気温とお天気の都合で延び延びになってしまいました。
今日やっとのことで蜂作業ができました。
奨励給餌&花粉給餌&ダニ対策&内検&女王の確認と産卵確認・・・。

この時期の給餌を「奨励給餌」と言って、蜂群に活気を促し女王蜂に刺激を与える目的で行うのですが、今までに給餌した群としてない群で明らかな違いが無かったのでこの給餌の効果については甚だ疑問に思っております。

しか~し、やってもやらなくても変わりないかも知れないけれど、やらずに後悔するよりはやって後悔した方がいいかと思って毎年やっているのであります。

巣枠を1枚~2枚減らして蜂を密集させて蜜糖と花粉を与えて回りました。
ダニ対策も忘れずに。

養蜂始めてからこれまで、幸か不幸か越冬で群が消滅したことは一度もありません。
これまでで越冬時の最弱群は2枚群と言うのがありましたが、それを含めて女王蜂が居なくなる事はあっても、群自体が消滅したことはありません。
越冬で群が消滅・・・みたいな話を良く耳にしますが、あれはダニの影響じゃないのかなぁ・・・。
今年も全群越冬「には」成功したみたいですが、1群で女王蜂が居なくなっておりました。
早速隣の群と合同しておきました。

越冬群は山と自宅にいますが、標高200mの山の群は産卵再開率が49%で半数がまだ産卵してませんでした。
一方で自宅群の産卵再開率は70%で明らかな違いが出ました。
山の気温はおそらく1~2℃は低いのですが、この僅かな気温の差が産卵の再開時期にこれほどまでに違いを生ずるのだと改めて確認できました。