前回の続きです。
蜂が「明るい」か「暗い」かはメスの働き蜂をじっと見つめても実はよくわかりません。パッと見では感じますが、だからと言ってメス蜂をじっと見ても良く分からない程度なのです。
でも、オス蜂を見ればよくわかります。
それは何故かと言うと、、、アリやハチなどにみられる性決定メカニズム、つまり半倍数性(メスは2倍体、オスは半数体)によります。
女王蜂を含むメスはオスとメスのそれぞれの遺伝子を受け継ぎますが、オスの場合は女王蜂の遺伝子のみを引き継ぐのです。
(実際は2倍体、3倍体のオス蜂も居るらしいですが、その話をするとややこしくなるのでそれは気が向けば別の機会にでも、、、)
まあ、オス蜂は母親である女王蜂の性質を1/2の確率で引き継いでいるクローンみたいなものなのです。
中央に居る2匹の大目玉がオス蜂ですが、左は黄色なのに対して右は黒いですね。
実際にはこの中間色のオス蜂も居ます。
で、このオス蜂の色の比率を見れば、その群の女王蜂の「性質」がある程度分かるのではないかと思うわけです。
上の画像の中には左下に見切れているオスも含めて黄色オスが3匹、黒オスが4匹写ってます。
この群は黄色と黒が半々居る、所謂「黄色い群」です。
ところが、黒いオス蜂だらけの群がここ最近増えてきたのです。
統計取ってないので感覚ですが、黄色:黒の比率が1:1の群が1割程度、1:2の群が7割程度、残り2割はほぼ黒のオスばかり・・・。
で、その黒オスばかりの群から今年はこんな新女王が誕生しました。
ここまで黒い女王蜂が産まれたのは初めてです。
最初、日本蜜蜂の女王が紛れ込んだのかと思いましたが出房痕のある王台がありましたので間違いなくこの巣箱で産まれた新女王です。
カーニオランが色濃く出た個体かもしれませんが、#1で述べたとおりその確証はありません。
交尾済みかと思うほどの体格がありますが、当然産卵はなく、まだ交尾前の処女王でした。
ちなみに、この群は交尾失敗の未帰還女王群で、黒オスばかりの群から卵枠を入れて作り直した女王なので周りの働き蜂とは赤の他人様ですので働き蜂の色見ても何の収穫も得られんです(笑)。
とても興味深い女王蜂だったのでそのまま観察用に置いておこうと思ったのですが、残念ながら後ろ足に不具があるらしく足を引きずってました。おまけに右の翅に欠けがある。
この女王では万に一つ交尾できたとしても正当な評価ができないので泣く泣く処分して再度女王更新作業に入ったのでした。
さてさて、今回の話題の本題はここから。
最近増えてきたこの黒い群、果たして良い群なのか悪い群なのか?
今の所黄色い群と黒い群で典型的な違いは感じられません。
細かなところでは色々違うんですけど先天的(遺伝的)なものか後天的なものかの判別が現在の所付きません。
採蜜量がここ最近落ちてきているのと反比例して黒い群が増えてきています。
果たしてその因果関係は???
来年あたり、イタリアンの女王蜂を導入しようかどうか迷ってます。