夏蜜終わってダニ対策

先日の台風15号では強風対策として遮光ネットを降ろしておいたのですが今年も3群で巣箱が倒れてしまいました。
台風が通過した後、吹き返しの風が一時強かったけど巣箱が倒れる程ではなかったと思うのですが、、、
どうも今の蜂場は地形の関係で風向きによって風が巻くみたい。
幸いにもどれも女王は無事で事なきを得ました。

さて、蜜蓋がされないので少し様子を見ていた夏蜜ですが、一部、非採蜜群でダニが目立ってきましたのでダニ対策を実施する前準備として、23日に最終採蜜を行いました。

余り蜜が詰まってないです。
アカメガシワ、マサキが期待外れだったのでカラスザンショウに期待しましたが一瞬で流蜜終わってしまいました。

心配していた糖度ですが、

こんなのから

こんなのまで、、、

採れた量は微々たるものなのでネット販売はできません。
地元流通のみになりますm(__)m

糖度計に写る温度から作業の大変さをお察し下さい。大変な割に量が採れなかった時の脱力感も(笑)。

これで今年の採蜜は終わりです。
ということで、早速ダニ対策へ。

一部の非採蜜群(今年割り出した群)では採蜜作業を行った後に「ギ酸」によるダニ対策をやってましたが、気温高過ぎて全く効果見えないのでアピバールを投入しました。

これはこれで湿度の高いこの時期にアピバールが有効に効くかどうかわからないですが、まあやってみることにします。

黄色い群と黒い群#2

前回の続きです。

蜂が「明るい」か「暗い」かはメスの働き蜂をじっと見つめても実はよくわかりません。パッと見では感じますが、だからと言ってメス蜂をじっと見ても良く分からない程度なのです。
でも、オス蜂を見ればよくわかります。

それは何故かと言うと、、、アリやハチなどにみられる性決定メカニズム、つまり半倍数性(メスは2倍体、オスは半数体)によります。
女王蜂を含むメスはオスとメスのそれぞれの遺伝子を受け継ぎますが、オスの場合は女王蜂の遺伝子のみを引き継ぐのです。
(実際は2倍体、3倍体のオス蜂も居るらしいですが、その話をするとややこしくなるのでそれは気が向けば別の機会にでも、、、)
まあ、オス蜂は母親である女王蜂の性質を1/2の確率で引き継いでいるクローンみたいなものなのです。

中央に居る2匹の大目玉がオス蜂ですが、左は黄色なのに対して右は黒いですね。
実際にはこの中間色のオス蜂も居ます。
で、このオス蜂の色の比率を見れば、その群の女王蜂の「性質」がある程度分かるのではないかと思うわけです。

上の画像の中には左下に見切れているオスも含めて黄色オスが3匹、黒オスが4匹写ってます。
この群は黄色と黒が半々居る、所謂「黄色い群」です。

ところが、黒いオス蜂だらけの群がここ最近増えてきたのです。

統計取ってないので感覚ですが、黄色:黒の比率が1:1の群が1割程度、1:2の群が7割程度、残り2割はほぼ黒のオスばかり・・・。

で、その黒オスばかりの群から今年はこんな新女王が誕生しました。

ここまで黒い女王蜂が産まれたのは初めてです。
最初、日本蜜蜂の女王が紛れ込んだのかと思いましたが出房痕のある王台がありましたので間違いなくこの巣箱で産まれた新女王です。
カーニオランが色濃く出た個体かもしれませんが、#1で述べたとおりその確証はありません。
交尾済みかと思うほどの体格がありますが、当然産卵はなく、まだ交尾前の処女王でした。
ちなみに、この群は交尾失敗の未帰還女王群で、黒オスばかりの群から卵枠を入れて作り直した女王なので周りの働き蜂とは赤の他人様ですので働き蜂の色見ても何の収穫も得られんです(笑)。

とても興味深い女王蜂だったのでそのまま観察用に置いておこうと思ったのですが、残念ながら後ろ足に不具があるらしく足を引きずってました。おまけに右の翅に欠けがある。

この女王では万に一つ交尾できたとしても正当な評価ができないので泣く泣く処分して再度女王更新作業に入ったのでした。

さてさて、今回の話題の本題はここから。
最近増えてきたこの黒い群、果たして良い群なのか悪い群なのか?
今の所黄色い群と黒い群で典型的な違いは感じられません。
細かなところでは色々違うんですけど先天的(遺伝的)なものか後天的なものかの判別が現在の所付きません。

採蜜量がここ最近落ちてきているのと反比例して黒い群が増えてきています。
果たしてその因果関係は???

来年あたり、イタリアンの女王蜂を導入しようかどうか迷ってます。

黄色い群と黒い群#1

内検の時、巣箱明けて巣枠を取り出した時、巣面が明るいと感じる群と、暗いと感じる群があります。
明るいと感じる群は全体的に蜂が黄色いんですね。一方、暗いと感じる群は全体的に蜂が黒いのです。

実は昨年あたりから薄々気が付いていたんです。
最近、黒い群の比率が増えて来てることを・・・。

養蜂を始めるにあたっては、取り敢えずは「蜂」を入手しなければなりませんが、大体は知り合いの養蜂家さんに譲ってもらうか、若しくは業者さんから蜂を購入することになるのでしょう。
うちは後者で蜂を入手しました。

業者さんが販売している蜂を「種蜂」と言いますが、大体において「黄金種」というのと「交配種」というのと「花粉交配用」というのが販売されています。
「黄金種」というのは(多分)イタリアン種を意味しているのではないかと思うのですが普通「交配種」より高額です。
「交配種」とは有り体に言えば「雑種」の事でしょう。イタリアンと「何か」の雑種なのだと思いますが、この「何か」が何なのかイマイチわかりません。黒い蜂の代表と言えば「カーニオラン種」ですがこの「交配種」の片親がカーニオランである保証はありません。
ついでに「交配種」と「花粉交配用」の違いも実はよく知りません。何が違うのかな?
女王蜂の体が小さく見栄えが悪く、売り物にならないのを「花粉交配種」とかで売ってるのかな?

さてさて、蜂に血統書でも付いていれば別ですが「黄金種」というのが純潔のイタリアン種かどうかも確証が持てず、しかも近隣で蜂を飼っている場合には容易に交雑の可能性がある為、うちでは当時「交配種」を導入しました。

みつばちは空中で交尾する為、離れ小島の無人島で飼うなら別ですが普通は代毎に雑種化が進む事になります。
近隣10Km圏内に絶対西洋蜜蜂が居ないなんてほぼ不可能じゃないかな?
ちなみに西洋蜜蜂と日本蜜蜂の交雑は起こるには起こりますが、その場合の卵は孵化しないんだそうで、この異種間の交雑を危惧する必要はありません。

さて、前置きが長くなってしまったので、続きは#2にて。

夏蜜の行方・・・

暑い、、、

蜂の内検は長袖、長ズボン、覆面布が基本なのでとっても暑い。ぶっ倒れそうです。
今年は2年ぶりに作業着ビッチョビチョになるほどの暑さになってます。

そんな時は、、、自家製ハチミツで作ったハチミツレモンスカッシュ(塩入)が熱中症対策にはもってこいです。これ飲んで朝から夕方まで蜂の内検してま~す。

この炎天下では蜂の巣が溶けてしまう巣落ちしてしまいそうなので遮光ネットで暑さを和らげてあげましょう。

突然張られた目くらましに暫く蜂達も右往左往、、、大渋滞起こしてましたが賢い蜂達は暫くすると帰還ルートを見つけて無事巣箱に戻って来るようになりました。
まあ、これの目的の半分は人間の方が逝ってしまわない様に・・・というのがあるんですけど。

さて、夏蜜最後の砦、カラスザンショウはただ今満開中???

コンデジ最大望遠でなんとか撮れた花と、それに訪花する蜂達。

産卵圏の確保の為に入れていた巣礎も真っ黄色に巣盛りしたは良いが大量に入る蜜と花粉の為に単なる貯蔵庫になってしまいました。

写真だと黄色の具合がちょっと違うけどまあいいか・・・。

先週まで、割出群には給餌が必要な程蜜が無くて採蜜群から蜜枠を融通して回ったのに、今週は空き巣房にビッチリ蜜貯めてました。

けど、継箱の貯蜜枠に蓋掛けするほどまでに蜜が貯まるかどうか・・・。
今年の夏蜜はアカメガシワ、マサキともに殆ど流蜜しなかっただけに採れるかどうかかなり微妙です。

どうしても見たかったDVD

予約していたDVDが今日届きました。
「みつばちの大地」
映画館で上映されてた時には近くでやってなくて見る事ができなかったのです。

素晴らしい映像です。
特に女王蜂の交尾シーン。
文献のイラストで見た事がありましたが、頭で想像していた通りでした。
よくこんなのが撮れたなぁ・・・。

さて、内容の方はと言えば、日本で、いや少なくともうちでやっている飼育や周りの環境など、違いが多すぎて正直何と言えばいいのか・・・。
こういう世界もあるんだなぁ・・・と。

蜂群崩壊症候群(CCD)をネオニコチノイド系農薬と結びつける報道や研究報告、インターネット情報が溢れていますが個人的には甚だ疑問に思っています。
そりゃあ殺虫剤(農薬)を浴びれば虫が全般死ぬのは当たり前。
研究論文では餌(蜜)に直接農薬混ぜて群が弱体化した・・・とか。
死ななかったら殺虫剤の意味が無いじゃないですか。
でもCCDとはミツバチが大量に突然「失踪」する現象のことです。
大量死や蜂群の衰退とは違う。

私の知っている範囲ではありますが、日本で過去何度か新聞報道されているもので西洋みつばちでの事例は見た事ありません。
元々逃去癖のある日本みつばち愛好家によるものです。
統計上も西洋みつばちの数が日本で劇的に減っているという事実もありません。

これが何を意味するのか、このDVDの内容と合わせて考えて見るのも良いかもしれません。