女王蜂のタマ切れ

先週の出来事。
オオスズメバチも終盤を迎えつつあるという話を先日書きましたが、ネズミトリモチにくっつけたオオスズメバチがどうも今年産まれた新女王だったのか?ものの30分くらいでこんな風になってました。

中央下に見えるのがメスのお腹で、その周りに折り重なるようにくっ付いている3匹は全てオスです。
(実はこの後さらに17匹のオスがくっつきました。)
オスの性(さが)・・・大変ですねぇ・・・。

さてさて、今日の本題。
来年に向けて女王蜂の更新が終わってやれやれと思ったのも束の間・・・。

女王更新した後、夏を過ぎても王台を作り続ける群が時々居るんですが、これが要注意です。

女王更新作業に苦労して、9月20日にやっと産卵開始を確認した女王さんの群、今日の内検でこんな事になってました。

メス蜂房に出来たオス蜂房です。

これはつまり、メスを産もうとしてもオスしか産めないという訳でして、働蜂産卵や未交尾女王の産卵でこうなることがありますが、交尾済み女王でこうなるということは、とどのつまりがタマ切れです。
女王蜂は生涯1度きり、数日かけて少なくとも4~5匹以上のオスと交尾し精子を貯精嚢にためて生涯これを使いますが十分に貯められていない場合や女王蜂の産卵器官に何らかの不具合がある場合にこうなります。

この群は産卵開始後2週間となる10月頭からずっと王台を作り続けてきました。「これは何かあるぞ・・・やり直した方が良いのかな?」と思いながらも10月に入ってもう一回女王更新するのもリスクが大きいので王台は毎週取り除いておりました。越冬さえしてくれれば・・・と思って。
でもこの女王はタマ切れだったんですね・・・。

蜂達がそれをどうやって知るのか分かりません。
けれどちゃんと事前に察知してその対策をするんですねぇ・・・。
すごいもんですわ。

せっかく危険を察知してその回避に頑張っているのに、人間が勝手に王台取ってしまって、きっと蜂達は「ごらぁ!勝手にいじくって、なにしてくれるん!」と怒っていたに違いありません。
ごめんなさい。申し訳ありませんでした。

他群のオス蜂も少なくなってきた今、交尾まで行けるのかどうかわかりませんが、蜂達の最後のチャレンジを見守っていきたいと思います。

成功したら「これまでで最も遅い女王更新」の記録更新となります。

過ぎたるは猶及ばざるが如し

過去にセイタカアワダチソウの蜜がここまで入ったと言う記憶はありません。
2週間前には蜜がスッカラカンで軽かった巣脾が、全ての群、全ての巣脾がずっしりと重くなり産卵圏が圧迫されてしまってます。

おまけに蜜集めで飛び回った蜂達は目一杯働いたおかげで寿命を迎えてしまったらしく蜂数が目に見えて減ってきました。

産卵圏確保するために一部蜜を抜いたほうが良いんでしょうがその時間が取れません。

不作だった採蜜期にこんな状況ならウハウハなんでしょうが、この時期の”大”流蜜は善し悪しです。

オオスズメバチ 新女王&オス蜂の飛翔

いよいよオオスズメバチの活動も終盤になって来たようです。

最近粘着シートにちょっと大きめのオオスズメバチが掛るようになって来て、「んっ、新女王?」と思ってたのですが、オス蜂が掛るようになりましたので、今オオスズメバチの巣では来年の新女王とオス蜂が大量に産まれて飛び立っているはずです。

お尻に針が無く、ちょっと平べったいのがオス。
手前に掛っているのが新女王蜂なのかもしれません。

オス蜂と新女王が出てくるようになるとオオスズメバチの活動もいよいよ終盤戦になります。この時期、幼虫の為に大量の”肉”が必要になり、オオスズメバチは集団でミツバチを襲う様になります。
これが終わると現在の女王蜂は死に、巣は壊滅します。スズメバチの巣は一代限りのものなのです。

今日はおまけで、、、

蜂場にはこんなのも居ます。
今年2匹目のハメです。
(ハメって方言かな?標準語ではマムシですかね?)

こいつだけはいけません。ダメです。危険です。

やっとPC直ったので近況など・・・

やっとPCが直ったので溜まりに溜まった写真を取り込んで、さあブログを書こう・・・と思ったものの既に時期を逸したものばかり・・・。

まあいいや、、、

当地ではセイタカアワダチソウがそろそろ終盤を迎えています。

これは2週間前に開花し始めた頃のセイタカアワダチソウ。

我が家の蜂達がお仕事している姿がちらほら。

今年は夏蜜を搾って以降全く蜜が入らず、9月下旬~10月初旬にかけて蜜切れする群が続出してしまい、2/3の群に給餌するという異常事態になってしまいました。
本当に一滴の蜜も無い群がいくつかあってビックリたまげました。
この時期に給餌したのはこれまでで初めてです。

それから2週間、スッカラカンになっていた巣脾がずっしりと重くなるほどの蜜が入りました。

て言うか、蜜が入り過ぎて今度は産卵圏がほぼ無い群まで出てきました。

セイタカアワダチソウの蜜が入る頃は蜂場はとっても凄い(臭い)匂いがします。
そういった印象が強いせいかセイタカアワダチソウの蜜は「マズイ」と思っている人多いですね。
でもね、この匂いは精々2週間ほどで消えます。その後食してみると・・・(驚)!
まあ、ダニ薬投与している時期なので売る蜜にはならないし、しませんけどね、食してみると・・・これはうまい!!!

ダニ薬使って無けりゃ絶対に食べてみてほしい蜜なんですけどね。ザンネン!
ゴールデンロッドハニーと言うんだそうです。

ところでセイタカアワダチソウの蜜も表年と裏年があるのかな?
去年は思いのほかこの蜜が入らなくて越冬用給餌に難儀したんだけど今年は随分と様子が違うよ。

やっとこさPCの復旧作業・・・

秋は作業が目白押し。
蜂はダニ処理とオオスズメバチ対応で大わらわ。
加えて、まだ終わってない女王蜂の更新作業、それに女王蜂の羽切り作業、継箱の引上げ、引上げ巣脾の冷凍処理、保管/廃棄巣脾の仕分け、巣枠および分割板等の熱湯処理etc
蜂場は草刈り&刈取草の集積作業。
終わったら来年の為、ヘアリーベッチの播種。
生りもしない果樹へのお礼肥。
3週間一滴の雨も降らないので堪らず灌水・・・しようと思ったらエンジンポンプが不調でキャブからエキゾーストまで全バラシしたものの原因分からず結局プラグ交換で直ったり・・・。
灌水貯水槽の水が減る一方&藻の発生がひどいので水補給にと暗渠を埋設してみたり・・・。

ユンボで掘ればものの30分で掘れる距離も手掘りなもんだから掘るだけで5時間も掛ったよ・・・。

起動後すぐにフリーズしてしまう様になったPCを「早く直さねば・・・」と思えどやること一杯でどんどん後回しに。
やっとのこと思い立って復旧作業を行いました。
フリーズの原因はほぼ特定出来ております。なのでやるべきことはわかっております。

まずはPCの蓋を開けて、、、

真ん中に鎮座しているグラボを取り外します。

見えました。
CMOSバックアップ用のボタン電池とRTCクリアのジャンパ。CLRTC(CLear Real Time Clock)と書かれたやつです。

ボタン電池を抜き取りCLRTCのジャンパをショートして数秒放置、後はジャンパ、ボタン電池、グラボを元通りに戻します。
BIOS設定が初期化されているので元通りの設定に戻して作業完了。
所謂CMOSクリアってやつで、書けば簡単ですが、それまでのBIOS設定をあらかじめ記録しておかねばなりません。

で、そもそもBIOS画面自体がフリーズしてしまいますのよ。このPCの場合は。
なので何度も何度もリセットして何枚もあるBIOS設定画面を出して記録する必要があったので面倒くさくて今までやってなかったのであります。

CMOSにゴミデータが残っていることでBIOSがフリーズしてしまい、結果としてWindowsがフリーズしていたという見立てです。

今の所はフリーズもせず機嫌よく動いてくれてます。
見立て通り、これで直ってくれれば良いのですが。

PCの不調

で、ブログ更新はおろかインターネットの閲覧もままなりません。
メモリーチェックはOKなんですが、LANがおかしくなったり、USBメモリがマウントできなかったり、色んな現象が出てたんですが、ここ最近はPCの起動はできるのですが、数十秒~数分でフリーズしてしまうようになりました。
サウスブリッジの周辺機器の不具合が目立ったのでそこらあたりかとも思っていたのですが、、、ちょっと違うみたい。
週末に時間とって対応してみよう。。。

オオスズメバチ対策

今年は春のスズメバチトラップによるオオスズメバチ女王駆除が功を奏したのか6月以降は全くオオスズメバチを見かける事がありませんでした。
例年お盆を過ぎると現れるオオスズメバチ(働蜂)も今年は全く現れず・・・。
なので今まで捕獲器も仕掛けずにいましたが蜂場から100mほど下ったあたりでオオスズメバチが狩りをしていたのを目撃しましたので今週、保険の意味も含めてスズメバチ捕獲器を取り付けることにしました。

スズメバチ捕獲器を取り付けると巣門が隠れてしまうので帰って来たミツバチ達は右往左往、巣箱の前は大騒動になります。
まっ、そのうち入口見つけて入って行きますが。

捕獲器の所で大渋滞するミツバチ達を見るとどれもこれも大量の花粉を付けて帰ってきてます。
最近咲き始めたタラの木の花粉でしょうか?

居ないと思っていたオオスズメバチもやはり人気のない時にはミツバチを襲いに来ているんですね。

仕掛けた翌日にはオオスズメバチが掛ってました。

オオスズメバチは意外と警戒心が強くて、人がいるとあまり寄って来ないんですよ!
ちょっと離れた木に止まって辺りの様子を窺って人が居なくなるのを見てるんです。
狩りを始めるとアウトオブ眼中になりますが・・・。

対してキイロスズメバチは人が居ようがなにしようがお構いなし。
今年は(も?)近くにキイロスズメバチの巣があるみたいでよくやってきます。

ちょっとピンぼけですが、、、
こいつらはあまり捕獲器に掛りません。
ホバリングして飛んでるミツバチを捕まえるので捕獲器の中まで入らないんです。

もっとも、スズメバチ捕獲器は”オオ”スズメバチの為に仕掛けるものであって、キイロやコガタなんかは掛らなくて良いんです。
こやつらは律義に1匹が1匹のミツバチを捕えて行くので被害もそんなに大きくないのです。

オオスズメバチさえいなければ、こんな出入りを阻害する様なものは取りつけたくないんですけどね。

おまけに、捕獲器に入ったオオスズメバチに攻撃仕掛けて大量に犠牲者出したりするしね。

ミツバチの攻撃を受けて瀕死のオオスズメバチと勇敢な兵士たちの亡骸・・・。
そこまでしなくても・・・

夏蜜終わってダニ対策

先日の台風15号では強風対策として遮光ネットを降ろしておいたのですが今年も3群で巣箱が倒れてしまいました。
台風が通過した後、吹き返しの風が一時強かったけど巣箱が倒れる程ではなかったと思うのですが、、、
どうも今の蜂場は地形の関係で風向きによって風が巻くみたい。
幸いにもどれも女王は無事で事なきを得ました。

さて、蜜蓋がされないので少し様子を見ていた夏蜜ですが、一部、非採蜜群でダニが目立ってきましたのでダニ対策を実施する前準備として、23日に最終採蜜を行いました。

余り蜜が詰まってないです。
アカメガシワ、マサキが期待外れだったのでカラスザンショウに期待しましたが一瞬で流蜜終わってしまいました。

心配していた糖度ですが、

こんなのから

こんなのまで、、、

採れた量は微々たるものなのでネット販売はできません。
地元流通のみになりますm(__)m

糖度計に写る温度から作業の大変さをお察し下さい。大変な割に量が採れなかった時の脱力感も(笑)。

これで今年の採蜜は終わりです。
ということで、早速ダニ対策へ。

一部の非採蜜群(今年割り出した群)では採蜜作業を行った後に「ギ酸」によるダニ対策をやってましたが、気温高過ぎて全く効果見えないのでアピバールを投入しました。

これはこれで湿度の高いこの時期にアピバールが有効に効くかどうかわからないですが、まあやってみることにします。

黄色い群と黒い群#2

前回の続きです。

蜂が「明るい」か「暗い」かはメスの働き蜂をじっと見つめても実はよくわかりません。パッと見では感じますが、だからと言ってメス蜂をじっと見ても良く分からない程度なのです。
でも、オス蜂を見ればよくわかります。

それは何故かと言うと、、、アリやハチなどにみられる性決定メカニズム、つまり半倍数性(メスは2倍体、オスは半数体)によります。
女王蜂を含むメスはオスとメスのそれぞれの遺伝子を受け継ぎますが、オスの場合は女王蜂の遺伝子のみを引き継ぐのです。
(実際は2倍体、3倍体のオス蜂も居るらしいですが、その話をするとややこしくなるのでそれは気が向けば別の機会にでも、、、)
まあ、オス蜂は母親である女王蜂の性質を1/2の確率で引き継いでいるクローンみたいなものなのです。

中央に居る2匹の大目玉がオス蜂ですが、左は黄色なのに対して右は黒いですね。
実際にはこの中間色のオス蜂も居ます。
で、このオス蜂の色の比率を見れば、その群の女王蜂の「性質」がある程度分かるのではないかと思うわけです。

上の画像の中には左下に見切れているオスも含めて黄色オスが3匹、黒オスが4匹写ってます。
この群は黄色と黒が半々居る、所謂「黄色い群」です。

ところが、黒いオス蜂だらけの群がここ最近増えてきたのです。

統計取ってないので感覚ですが、黄色:黒の比率が1:1の群が1割程度、1:2の群が7割程度、残り2割はほぼ黒のオスばかり・・・。

で、その黒オスばかりの群から今年はこんな新女王が誕生しました。

ここまで黒い女王蜂が産まれたのは初めてです。
最初、日本蜜蜂の女王が紛れ込んだのかと思いましたが出房痕のある王台がありましたので間違いなくこの巣箱で産まれた新女王です。
カーニオランが色濃く出た個体かもしれませんが、#1で述べたとおりその確証はありません。
交尾済みかと思うほどの体格がありますが、当然産卵はなく、まだ交尾前の処女王でした。
ちなみに、この群は交尾失敗の未帰還女王群で、黒オスばかりの群から卵枠を入れて作り直した女王なので周りの働き蜂とは赤の他人様ですので働き蜂の色見ても何の収穫も得られんです(笑)。

とても興味深い女王蜂だったのでそのまま観察用に置いておこうと思ったのですが、残念ながら後ろ足に不具があるらしく足を引きずってました。おまけに右の翅に欠けがある。

この女王では万に一つ交尾できたとしても正当な評価ができないので泣く泣く処分して再度女王更新作業に入ったのでした。

さてさて、今回の話題の本題はここから。
最近増えてきたこの黒い群、果たして良い群なのか悪い群なのか?
今の所黄色い群と黒い群で典型的な違いは感じられません。
細かなところでは色々違うんですけど先天的(遺伝的)なものか後天的なものかの判別が現在の所付きません。

採蜜量がここ最近落ちてきているのと反比例して黒い群が増えてきています。
果たしてその因果関係は???

来年あたり、イタリアンの女王蜂を導入しようかどうか迷ってます。

黄色い群と黒い群#1

内検の時、巣箱明けて巣枠を取り出した時、巣面が明るいと感じる群と、暗いと感じる群があります。
明るいと感じる群は全体的に蜂が黄色いんですね。一方、暗いと感じる群は全体的に蜂が黒いのです。

実は昨年あたりから薄々気が付いていたんです。
最近、黒い群の比率が増えて来てることを・・・。

養蜂を始めるにあたっては、取り敢えずは「蜂」を入手しなければなりませんが、大体は知り合いの養蜂家さんに譲ってもらうか、若しくは業者さんから蜂を購入することになるのでしょう。
うちは後者で蜂を入手しました。

業者さんが販売している蜂を「種蜂」と言いますが、大体において「黄金種」というのと「交配種」というのと「花粉交配用」というのが販売されています。
「黄金種」というのは(多分)イタリアン種を意味しているのではないかと思うのですが普通「交配種」より高額です。
「交配種」とは有り体に言えば「雑種」の事でしょう。イタリアンと「何か」の雑種なのだと思いますが、この「何か」が何なのかイマイチわかりません。黒い蜂の代表と言えば「カーニオラン種」ですがこの「交配種」の片親がカーニオランである保証はありません。
ついでに「交配種」と「花粉交配用」の違いも実はよく知りません。何が違うのかな?
女王蜂の体が小さく見栄えが悪く、売り物にならないのを「花粉交配種」とかで売ってるのかな?

さてさて、蜂に血統書でも付いていれば別ですが「黄金種」というのが純潔のイタリアン種かどうかも確証が持てず、しかも近隣で蜂を飼っている場合には容易に交雑の可能性がある為、うちでは当時「交配種」を導入しました。

みつばちは空中で交尾する為、離れ小島の無人島で飼うなら別ですが普通は代毎に雑種化が進む事になります。
近隣10Km圏内に絶対西洋蜜蜂が居ないなんてほぼ不可能じゃないかな?
ちなみに西洋蜜蜂と日本蜜蜂の交雑は起こるには起こりますが、その場合の卵は孵化しないんだそうで、この異種間の交雑を危惧する必要はありません。

さて、前置きが長くなってしまったので、続きは#2にて。