スズメバチの新女王

もうそろそろスズメバチの数も減ってきて、スズメバチ捕獲器も12月に入ったら取り外そうかと思っています。
さて、そんなスズメバチですが、10月中旬以降、ネズミトリモチに掛かる大スズメバチが以前とはちょっと変わってきました。
普通の大スズメバチの体色は黒とオレンジ色のトラ柄なんですが、ここ最近のは綺麗な「黄色」なんですよ。しかもでかい。

カメラで撮るとちょっとわかりにくいですが、色が明らかに違います。
最初はオスかと思ったんですが、腹部が6節なのでやっぱりこれはメス。ちなみにオスは7節らしいです。
これは来年の新女王なんでございます。

越冬給餌

前回記事にした蟻酸によるダニ駆除ですが、1週間後となる先週内検したところ、いくつかの群で女王が産卵を停止していました。また同時に死に蜂も群あたり10~20匹程度発生してしまいました。初夏に実施した時はなんら問題なかったのですが、今回はちょっと失敗した様です。
気温が低い場合は蒸散の速度が遅いので蟻酸の量を減らすか、濃度を低くした方がよいのかもしれません。
そんなこんなで先週はちょっとブルーが入ってました。
蟻酸処理は当初3~4回程度予定していたのですが、急遽1回で取りやめです。
一応ダニの死骸があったのが数群ありました。

さて、先週より女王の産卵回復も期待しつつ、越冬に向けていよいよ給餌を開始しました。

本日内検したところ、産卵を停止していた女王も幸いにも産卵回復したみたいで本当に良かったです。
本日は先週に引き続いて給餌2回目を実施しておきました。
一部の強勢群では貯蜜一杯、花粉一杯、産卵豊富で給餌しようにもできない群もあります。おもしろいもんですね。

薬剤を使わないダニ対策

8月中旬から9月一杯までアピスタンという薬剤を使ってダニ対策しました。
まあ、これでダニが全滅するならこんなに楽なことはない訳ですが、現実はそう甘くはありませんよ。
ダニはしぶとく生き残っています。全体的にちぢれ羽の奇形蜂はめっきり少なくなりましたが、特定の巣箱でここ1週間ほど2~3匹見受けられる様になりました。又、巣箱によってはダニを背負った蜂が1~2匹発見されるようにもなりました。
そこで越冬に向けて薬剤を使わない蟻酸によるダニ対策を行いました。
高濃度の蟻酸は酸である以上取扱いには細心の注意が必要ですが、ハチミツには元々微量の蟻酸が含まれており、揮発した蟻酸がハチミツに与える影響はほぼ無いと言えます。海外ではダニ対策として一般的に用いられている手法とのことです。
海外の資料によると濃度65%の蟻酸を巣板1枚当たり約2ml、キッチンペーパーなどに染み込ませ、4~7日間隔で5~6回処方するのだそうです。この処方は一日の最低気温12度以上で、最高気温は18度~25度程度が最も効果的らしい。
ちょっと気温が低くなってきたけれど越冬に向けてダニ対策実施!

まずはキッチンペーパーを薬包折りして。

65%に薄めた蟻酸を用意。(防毒(有機酸)マスク、ゴーグル、ゴム手袋など完全防備でやってます。)

キッチンペーパー1枚あたり約10ml浸透しますので1群あたり2枚使用します。

本当は4日周期くらいでやりたいけど無理なので1週間おきにやって12月初旬くらいまでやってみることにします。

ミツバチの予知能力?

前回の記事で1群2王となった群の話を書きました。
あれから2週間経ってしまいましたが、その間、この群で悩ましい事態が発生しました。
先週の内検の際、この群の女王が全く卵を産んでいないことが確認されました。
もう1週間様子を見てみようと言うことで、今日の内検になりましたが、やっぱり卵を産んでいませんでした。
弱小群である上に産卵をしなくなった女王。越冬時期に女王は産卵をほぼ停止することがありますが、この時期に産卵を停止するのはまあ不具王ということでしょう。
今日、仕方なくこの群を他の群に合同させました。
合同して空になった巣箱です。

ミツバチ達は女王がこうなることを察知して敢えて新女王を作ったのでしょうか?
あのまま放置していれば何とかなっていたのでしょうか?
自然の営みの前で人の介入は余計なお世話なんでしょうか?
ちょっと考えさせられた”事件”でした。

教科書通りにならない・・・1群2王

生き物を相手にしていると、時として思い通りにならなかったり、お手本や教科書に載っていない事が起きて焦ることがあります。

昨日の内検中、弱小群で頭を悩ませている1群を内検している時でした。
産卵が少ないなぁ、増えないなぁ・・・と思いながら内検を進めて居ました。
この女王さん、若干体が小さいですねぇ。小さいから産卵少ないのかなぁ。蜂数少ないし越冬できますかねぇ。

で、女王さんを見た巣脾から進めて2枚目の巣脾で、、、、

おりょりょ、、、さっき見た女王がいるよ?
あれれ?いくら体が小さいとは言え、こんなに小さかったっけ?
ひょぇー、、、新しい女王が産まれてるよ。。。。

先週の内検で完全に王台を見逃した。この時期に王台なんて作らないと思い込んでいた。でも、なんでこんな時期に。

春先なら完全に旧女王は分封起こすが、さもなくば両者殺し合いした結果・・・。
今回はそうならず、なんと一つの巣箱で2つの女王が仲良く同居していた。
この時期に女王を作ったりするんだね。弱小群で何の為?

この時期、他の群にはオスバチはもう既に居ません。ただ、この群にだけはオスバチが居るんです。まだ出房前のも含めて。
ですけど、どう考えてもこれから交尾して越冬なんてできません。

どうにかできないか一生懸命考えてみたのですが、何をどうしても何ともならないのでこの女王さんは処分しました。
なんかこういうことあると思いっきり凹む。

冬支度

比較的温暖なこの地方でも最低気温が12~13度という日が多くなってきました。
8月9月の暑さで産卵が鈍っていた女王蜂も10月に入ってからはグンと産卵数を増やしましたので増勢(蜂の数を増やす)に努めてきましたが、ここへきて一気に産卵が少なくなってきました。
もうこれ以上の増勢は無理と判断し、いよいよ巣脾の整理と蜂の密集化に取り掛かりました。

春に割り出した群は実質7枚群で十分な巣脾枚数。

一方、夏以降に割り出した群はこんな感じ。

実質3.5枚群。うーん、越冬にはちょっと厳しいかなぁ。。。

巣箱の周りはう○この匂い

朝晩の冷え込みも一段と感じるようになり、日中の気温も随分と低くなってきています。
内検で蓋をあけるとその裏には結露が見られるようになりました。

今、蜂たちは越冬に向けて最後の蜜集めに勤しんでいます。
持ち帰った花蜜は濃度が低いので、蜂たちは一晩中羽で旋風を送って蜜を濃縮しています。
蒸発した水分がこうやって結露するんだそうです。

さて、この頃巣箱の周りではなんだかう○この匂いがします。
内検で蓋をあけるとさらに強烈に匂います。
う○こというよりは・・・くさい靴下の匂い?

ごめんなさい。気分悪くなりましたか?

これは運びこんでくる花粉や蜜の匂いなんですが、概ねう○この匂いとなるのは「そば」の蜜なんだそうです。
まあ直ぐにリンク切れになると思いますが、一応。
ソバの花「吐きそうなほど臭い」 作付け急増で住民困惑も
でもうちの周りに蕎麦は植えられていません。
あるのは「セイタカアワダチソウ」。
セイタカアワダチソウの蜜は麝香(じゃこう)の匂いがするそうなんですが。。。
でも確かに僕にはう○この匂いと感じます。僕にはセイタカアワダチソウがう○この匂いに感じるんでしょうか?
うーん、まだまだ経験が浅いのでよくわかりません。

P.S. う○こ、う○こ言ってごめんなさい。匂いは写真で伝えられないもので・・・。

セイタカアワダチソウの季節

朝晩めっきり涼しくなってきて秋の深まりを感じる季節になってきました。

ここ1週間ほどでこの時期の貴重な蜜源となるセイタカアワダチソウも花を咲かせるようになってきました。

蜂場から下りる途中にセイタカアワダチソウが咲いている場所があり、少しばかり蜂の姿が見えたのでうちの蜂かと思って見てみましたら、残念ながらニホンミツバチでした。
うちの蜂は一体どこに行っているのでしょうか?

でも、うちの蜂を観察していると全身黄色の花粉にまみれたのが居ますのでセイタカアワダチソウにも行っているのは間違いないと思いますヨ。

花粉には目もくれず蜜を一杯吸ってきたのかな?

巣箱の中ではお嬢さんたちが何やら真剣に会議をしています。

何を話し合ってるのかな?

去年生まれの女王蜂と今年生まれの女王蜂

働き蜂の寿命は忙しい花のシーズンで1~2か月、仕事の無い冬のシーズンで4~5カ月らしいですが、女王蜂は3年~6年程度は生きると言われています。
蜂蜜を採ることが目的の養蜂では女王蜂にたくさんの卵を産んでもらうことが重要です。
働き蜂の数が増えれば増えるほど集蜜量は飛躍的に伸びるからです。
最も産卵数が多いのは1年目の女王蜂と言われていますので、養蜂家は毎年女王蜂を更新するのだそうです。

女王蜂も生まれて1年も経過するとその体色も変わってきます。
これは去年生まれの女王蜂です。中央に写っている少し体長の長いのが女王蜂です。

おなかの色が少し焦げ茶色っぽく見えますね。

一方、今年生まれた女王蜂はこんな体色です。

アメ色とでもいいましょうか。まだまだ若々しい色をしていますね。
さあ、来年はこれら今年生まれの女王蜂に頑張ってもらわなくてはなりません。
今のこの時期は、越冬に向けて群勢を整える作業の真っ最中なのですが、まだまだ経験の浅い私はトライ&エラーの連続です。

敵、敵、敵、敵・・・

8月の中旬に投入したダニ対策のアピスタンを本日撤去しました。投入してきっちり6週間。
これ以上投入しておくと薬が効かなくなる耐性ダニが発生してしまいます。
一部の群ではまだ巣の底にダニの死骸が落ちていますので残党が居るのは間違いありません。今後は様子を見ながら、必要ならばナチュラル殺ダニ剤での処置になります。

スズメバチの方は今のところそんなに大群での襲撃は無いのが幸いです。

スズメバチ捕獲器を巣門に取り付けると、ハチが出入りに苦労する様になります。
それと同時に、巣箱内部のゴミ、クズも外に出し辛くなる様です。
ゴミ、クズだけならまだましかもしれませんが、こいつも巣箱の中に多く見られるようになりました。

「スムシ」です。
スムシというのはハチノスツヅリガという蛾の幼虫だということです。
春先からスズメバチ捕獲器を取り付けた夏場までに時々見られたスムシは巣枠の上桟の隅っこに追いやられているか、巣門の外に放り出されていたものですが、近頃は巣箱の底と壁との隅にマユを作って住み着いていやがります。
まあ、マユを作っているのはましな方だと思いますが、どうしても防御の薄くなる両端の巣脾の外側などはスムシが食い進んだ跡のあるものも見受けられるようになりました。
今日も1群で巣脾を5cm位食われていたので駆除しておきました。
ニホンミツバチの場合はこいつがかなり強力な天敵らしいですが、セイヨウの場合はまあ巣脾を保管する時にその巣脾を食われるというのが最も大きな被害ということらしいです。

今、台風17号が近付いてきています。降り始めた雨の中、風対策をしてきましたが、あれで大丈夫かな?ちょっと心配です。

ここのところは夏場に減った蜂数を増やす大切な時期なのに、それを阻もうとする色んな敵に対策が必要な季節になっています。